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COLUMN#14 - 住まいを移す。海を背に、山へと歩む、築50年の古民家にて。

  • 執筆者の写真: HugFor
    HugFor
  • 3月29日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月2日




こんにちは。

この春、鎌倉の海がほど近く、観光地のエリアに位置していた住まいから、鎌倉のとても静かなエリアに引っ越すことになりました。今日はそのことについて、少し綴りたいと思います。



鎌倉との出会い、海辺の暮らしの魅力

私は5年前「生活環境を変えたい」という理由で、何の脈絡も、縁もない鎌倉に移住してきました。

当時は数ある土地でなぜここにたどり着いたのか、理由も見つけらないほどですが、ごく自然な流れと直感で、歴史と文化が息づき、海のすぐそばで賑やかな街の中心に暮らし始めました。

思いのほか、鎌倉の魅力に包まれた生活は、新たな発見に満ち、海の広がりや古道や路地裏、そして大通りに出れば観光地ならではの活気ある町並みを肌で感じる日々で、人生や価値観を静かに調律してくれる、かけがえのないものとなりました。毎日が少しずつ自分と溶けあいながら当たり前になって積み重なっていきました。


いま、静けさを求めて

時が経つにつれ、次第にその賑やかさを越えて、何よりも静けさを求め、そこに心地よさを感じる自分に気づきました。

観光地の中心にいることで、日常の中に流れる喧騒が次第に重く感じられ、静寂を求める気持ちが強くなったのだと思います。



そうして海辺の賑やかさを離れ、静かな場所に移ることが自然な流れとなり出会ったのは、築50年を越える古い家。


最初はその年数に少し不安もありましたが、家に足を踏み入れたとき、日差しが心地よく包み込んでくれるような感覚と、静かな時間が流れているのを感じました。この場所に根を下ろすことが、今の自分にとって自然な流れのように思えました。


決め手となったのは、小さなお庭と、そこに立つ柚子の木。


今はまだ実をつけていませんでしたが、すでにこの場所に深く根を張り、家の一部となっていました。


庭で家庭菜園を育てることも空想しました。

土の中で芽が出るのを見守りながら、少量でも自分の手で育てた野菜を食べることができれば、日々の生活に新たな豊かさをもたらしてくれるかもしれないと、期待しています。


季節と共に育む暮らし

静かな山辺での暮らしは、慌ただしい日常から一歩引き、今よりも少しだけ穏やかな時間を取り戻すことができる場所になる気がしています。


どんな風に日々が変化していくのか考えると、今の重々しさや、鬱々さ、少し怪訝な心が軽くなっていくのがわかります。

柚子の木の成長と季節ごとに変わる風景を感じ取るとともに、内装も少しずつ手を加え、自分らしい空間に変えていく時間も楽しみです。



いつでも、どこにいても、身の回りにある小さな心地のよさを見つけ、それを日常の一部としていく。そしてその日常を一日ずつ長い年月をかけて積み重ねていく。


「豊かさ」というものは、一朝一夕で手に入れられるものではなく、そうして日々少しずつ紡がれ、醸成され、ふと息をついて椅子に腰かけた、その何気ない瞬間、その存在に気づくのだと思います。

古くて新しい家での暮らしは、心の中にある小さな願望を、少しずつ形を成していく過程。


どんなふうに日々が展開していくのかを楽しみに、これから暮らしについても綴っていこうと思います。


追記:海は今でも愛おしく、近くにあることが嬉しい。時折、その波の音に包まれながら、心を癒やしたいと思っています(笑)。




当コラムは月に1-2回程度、ギャラリーに関連する活動を軸に執筆しています。お気楽にお読みいただけますと幸いです。

文、写真:HUG FOR_. Eriko.O


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