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高野萌美 / MOEMI TAKANO
高野萌美 / MOEMI TAKANO
現代美術家
1993年 神奈川県生まれ
2015年 ロンドン大学ゴールドスミス校 (イギリス) ファインアートコース卒業
幼少期に親しんだコンピューターグラフィックスのピクセルによる図画との類似性から布の経糸と緯糸が織りなすパターンに興味を持ち、布が抱える社会・文化的背景と美術史が混交する地点を模索している。近年 は紡ぎ、染め、織り、刺繍など布の製造にまつわる手作業に自ら関与し、できたものをあたかも大量生産された材料であるかのように大胆に使用した平面・立体作品を制作、シリアスかつユーモラスなタイトルとあ わせて、個の営みが持つ儚さと強さ、現代社会に生きる悦びと虚しさなど、複雑な生の在り方の表現を試みる。
Statement
私はこれまで、社会・環境レベルで生じるさまざまな不均衡に直面している私たちの日常的な経験を理解するための視覚言語を探し求め、広義の物質(material)に対する人間の態度に挑戦するような芸術実践を行なってきました。近年は主にテキスタイル製造に関連する技術を学ぶことに注力しており、国内外での旅を通して土地固有の染織文化がどのように成立してきたかを研究し、その知見を日本のスタジオに持ち帰っては自らの手で再解釈をすることで作品を制作しています。
紡ぐ、染める、織る、縫う、刺繍するなどの行為 は人間の手=身体と密接な関係にありますが、それによってできたた布はやがて人の手を離れ、衣装や祭具 などの形で権威や畏怖といった抽象概念を表し、時に宗教的な思想を伝えるという役割を古来から担ってきました。かつて経糸と緯糸のグリッドが伝達していた情報はデジタル機器のピクセルに取って代わられましたが、私たちの生活は今でも布と切っても切れない関係にあります。あらゆるものの迅速化、不寛容化、身体性を欠いたイデオロギーが散見される現代において、繊維との時間をかけた触れ合いは、果たして有効な 声を持つことができるのか。細かな部分の有機的な集合として私たちの前に立ち現れる布は、パンデミック や所属集団間の争い、気候変動の可能性とそれらによる複数のシナリオが提示するような個の存在を包含/超越する概念に対して、私たちの意識を再定義する触媒のような役割を果たすことができるのか。私は日常 で出くわす瑣末な出来事の延長で思考し、個から離れるために手を動かし、美術史とテキスタイルの交差地 点での表現することでこれらの問いに応答したいと考えています。
CV
主な個展
2022 Thread Poetics / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE (銀座 東京)
2021 Possibilities in a Filthy Flow 汚い川にも/ why not. tokyo (目黒 東京)
2020 I'd Rather Be Your Travel / why not. tokyo (目黒 東京)
2019 いちばん幸福な休暇の支度 / トキワビル 303-a (横浜 神奈川)
2017 内爆する風景 / 岩崎ミュージアムギャラリー (横浜 神奈川)
2017 Intangible Surface / Spring Valley Brewery Yokohama (横浜 神奈川)
主なグループ展
2021 AFTER THE 3331 / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE (銀座 東京)
2020 The Inevitable / why not. tokyo (目黒 東京)
2020 今ここ、小さな自由 / why not. tokyo (目黒 東京)
2019 巣くう芸術家たち / Art Base Garden OBAEN - 大庭園 / (藤沢 神奈川)
2017 青春嶺 / 科元藝術中心 (台中 台湾)
2016 SIXTY / LUBOMIROV / ANGUS-HUGHES (ロンドン イギリス)
2016 On The Threshold II : Formal Presence / オリエンタル博物館 (ダラム イギリス)
2015 On The Threshold / オリエンタル博物館-ダラム大学、帝京大学 (ダラム イギリス)
アートフェア
2022 ART FAIR ASIA FUKUOKA / ホテルオークラ福岡 / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGEブース / (福岡)
2022 ART STAGE OSAKA / 堂島リバーフォーラム / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGEブース / (大阪)
2021 3331 ART FAIR 2021 / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGEブース / 3331 Arts Chiyoda (千代田 東京)
2017 ART TAICHUNG 2017 / Millennium Hotels and Resorts (台中 台湾)
レジデンス
2021 Pocoapoco residency / (オアハカ メキシコ)
2018 Arquetopia, Natural pigment instructional residency / (クスコ ペルー)
2016 BankART Artist in Residence /BankART1929 (横浜 神奈川)
その他
2021 ACY-U39 アーティストフェローシップ (助成)
2019 plastic island / secondhand frontier (展示企画) / トキワビル 303-a (横浜 神奈川)
2018 Art of Islamic Pattern Summer School (Intensive) / (ロンドン イギリス)