みなさま、こんにちは。
2024年も終わりに近づいて参りました。
HUG FOR_.が生まれて2年の月日が経ち、早くも3年目となりました。退路を断ち始めたギャラリーは、オープンから今まで皆さまのおかげでスルスルと流れるように過ぎていき今に至ります。いつも優しく温かく関わっていただきありがとうございます。
1年目は、一旦できそうなことをやってみて微修正を繰り返している内にあっという間の時間が過ぎ、2年目は1年目のエラーの調律と、どこにでもあるギャラリーだけど、どこにもないギャラリーの形の在り方を試してみることに。一般的な「ギャラリー」という概念の中に地域性や自分らしさ、感性をどう織り込むか、そしてその試行錯誤を通じて新しい価値を生みたいと考えていました。
このコラムもその一つ。
今回はコラムの始まりの話しと、小さなルールについて綴りました。お時間がある時にお読みいただけると嬉しいです。
コラムの必要
現代ではSNSやブログで発信することが当然視され、安易にタダで発信することができるようになりました。でも個人的には自分のことを表現したり言葉で説明することは得意ではないと感じることもあり、そもそも発信が自身の生活を豊かにする方法かと問い直してみても大した解は見当たらず、つまり必要ありませんでした。SNSで言えば、関心のある情報や人が優先的に流れては表示され、それ以外の情報とは分離されるような形態は、無自覚の内に異なる意見に耳を傾ける寛容さが失われていく代償のようでやや遠ざけていた側面もあります。
一方、ギャラリーの運営がスタートし様々な価値観が交錯し埋もれていく中で、ギャラリーの運営者がどんな人間でどんな出自で、アート、人、社会に対してどんなことを想い、どんな場にしたいと願っているのか。ギャラリーで得られた学びや発見、自らを省みる時間がどんな風に新しい価値観を築き上げているのか、リアリティをもって定期的に届ける機会は必要になってきました。
HUG FOR_.らしく、自分らしく、静かな対話のような趣をここで目指せたらと思い、ホームページ上だけで完結するコラムを今年の4月から始めた次第です。またギャラリーが発信するテキストのライティングは外注せずギャラリー独自の「生の声と感覚」を守り続けるという"ルール"を課し、そのトレーニングのためというのも理由の一つです。
いざ始めてみると、コラムには自分にとって大きな利点がありました。
書くことで通り過ぎていた記憶や出来事を思い返せる
自身の考えを整理したり、あるいは思考の癖や偏りを見つけることができる
対面で話すよりもコラム上の方が自分らしい言葉で語れる自分の特性を知った
コラム読者の方と対面でお会いした時にコラムの内容を深める対話ができる
外野や通りすがりが少なく静けさの中で存在できる
自分の言葉を紡ぐことは、じんわりと自分自身を振り返ることであり、新たな視点を得るプロセスでもあり、とても大切な自己探求の一環のように感じます。そのことを誰かに共有することで生まれるつながりもまた、特別な価値を持つのではないかと思います。こうして自分に合った表現方法を模索し、独自の声を届けたいという想いで行き着いたこのスタイルは、思いのほか居心地よい場所となりました。11稿、お付き合いいただいている皆さまにも、感謝申し上げます。
そんな想いで続けているコラムには、いくつかの"ルール"があります。
嘘は書かない、他人の共感を得るためのコラムにしない
夕方~夜の時間帯に書いて朝に校正する
ポエティカルな表現に頼らない
書きたいことを書く
静かな場所で書く
主観と客観のバランスを意識する
ルールの必要
私は自分に小さなルールを課すことが好きです。
今から4年くらい前、体も心もどうにもならない四面楚歌状態に陥り、自力で再生するために「15の約束」というマイルールを作り立て直しに活かしました。
「15個の約束」は、自己再生として内なる決意を形にしたもの。
ルールは未熟な自分へのメッセージ。
約束は自分を律するための偽りのない言葉。
普段はスマホのメモ帳や、紙の日記帳に書いて見返すことで自身を再確認するきっかけとなっています。その時々の自分に必要なことを見極めて更新していく行為は、流動的でありながらも芯をもつ生き方の手助けになっていてなかなか有効的です。
※「約束」は年末や誕生日など節目のタイミングに見直し、その時の自分には必要がないことや、できていると言えることは新しい約束を考えて差し替えます。
「15の約束」
1.自分の心と体を一番大切にする
2.人前では泣かない
3.道を譲る
4.許す
5.感じた幸せを広げ過ぎない、閉じる美学を守る
6.あとみよそわか。立ち去る時に後ろを振り返る
7.感謝と祝福の気持ちは行動で伝える
8.執着しない、離れる、忘れる
9.定期健診や体のメンテナンスを怠らない
10.朝、夜の家で過ごす時間を大切にする
11.少しの出費を惜しまず義理や正しいと思うことをする
12.自分を信じてみる
13.分かり合える人を大切にする
14.祈りは自分の為ではなく誰かの為に
15.まっすぐな愛はまっすぐ受け止める
これからもHUG FOR_.が多くの方に新たな視点や気づきを届けられるよう取り組みを続けて参ります。年内のコラムは本稿にて終了。また来年も引き続き気軽にアクセスしてお読みいただけると嬉しいです。
当コラムは月に1-2回程度、ギャラリーに関連する活動を軸に執筆しています。お気楽にお読みいただけますと幸いです。
文、写真:HUG FOR_. Eriko.O
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